出島トンボロ×佐世保高専産学プロジェクト
長崎『佐世保高専』研究チーム×明治28年創業の酒蔵『森酒造場』
みなさま、ごきげんよう。
毎日の幸せを与えてくれる食。
食品や食材、そして、それを支えてくれる職人さんの
『食と職の魅力を追う』
トンボロジャーナル編集長のSatohです。
本日は、トンボロ活動の一つでもある
長崎の素材と技術を繋げ
新たな価値を発信するプロジェクトの一環で
佐世保高専の物質工学科研究チームのみなさんと一緒に
創業126年の歴史を持つ長崎県平戸市の
「森酒造場」さんを訪問させていただきました!
かつての大航海時代・・・
平戸は日本で最初に海外貿易の拠点として栄えた港町でした。
世界中の航海士たちは平戸を「西の都フィランド」と呼び
400年前には、ポルトガルやオランダ、イギリスなどの商館が在り
世界の重要な港として栄えていました。
今回、佐世保高専の物質工学科研究チームの
みなさんと訪問させていただいたのは、
この平戸の町に明治28年に「小松屋」の屋号で創業された森酒造場さん。
最教寺のふもとから湧き出る名水と地元の契約農家さんのお米を使い
そこに暮らす人々と絆がることで
「継(つな)ぎ絆(つな)がる酒造り」をテーマに
素晴らしい酒造りを歴史とともに築いてこられた酒蔵さんです。
>【森酒造場HPはこちら】
【酒蔵の前にある湧き水】
今回は、実際に酒蔵の中の様子を見学させていただき
杜氏の森さんに酒造りについて学ばせていただきました。
日本酒が完成するまでには、お米そのものの魅力はもちろん
さまざまな工程や職人さんの技術が積み重なってできており
そのひとつひとつが日本酒の味を左右しています。
今回は、日本酒の主原料である酒米の精米歩合について
酒米の王様「山田錦」を例にして教えていただきました。
この酒米を精米する歩合を比較したのがコチラ。
精米歩合35%とは、手前に映っているもともとのお米から35%まで削ったものになります。
逆に、削った部分を表すのは精白率と呼び
精米歩合70%と精白率30%は、同じ割合を表しているんですね。
精米歩合は、%の数字が小さくなればなるほど、お米が磨かれ小さくなっていくんですが
なんと、、世の中には精米歩合0%(正確には0.1~0.9%台)というものもあるのだとか。。
想像がつきませんね。。
精米した酒米は、まず洗って糠を取ります。
このとき、泡を立ててその泡を使ってお米を傷つけないように大事に洗うのだそうです。
職人さんの食材への愛を感じますね。。
次は、水分を含ませたお米を蒸します。
蒸すことによって、酒造りに適した水分量に調整するのですが
この「お米を蒸す」という工程は、非常に重要なところ。
ここで蒸されたお米が、麹造りや酒母造りなど様々な工程に大きく影響するからです。
意外とこの部分はフォーカスされることが少ないですが
実は、お酒の味わいを左右する大事なポイントなんですね。
蒸した米を日本酒の元となる麹にしていきます。
質の良い麹を作るのも日本酒の質を左右する重要な工程です。
ちなみに日本酒に使う麹菌だけで100種類以上あり
それぞれの菌が持つ特性を理解した上で
理想の日本酒に必要な菌を選抜するのだそうです。
このように、日本酒ができるまでの工程を1からお話いただきながら
昔ながらの手間と時間をかけて造る伝統的な生酛(きもと)造りのお話や
蒸したお米を日本酒の元となる麹にする部屋の見学など
普段では見たり聞いたりできない杜氏さんの話を興奮しながら
(でも表はポーカーフェイスで)勉強させていただきました!
最後は、杜氏の森さんと佐世保高専の学生たちで
これから生まれる新商品開発に向けてディスカッション。
一つ一つの課題をみんなの力を合わせてクリアしていき
きっとみなさんが喜ぶ商品をお届けできるように取り組んで参ります!
またご報告しますね!
それではみなさま、ごきげんよう。