アントレプレナーシップ育成合宿~1日目~
こんにちは!
出島トンボロ スタッフの出口です。
10月に入って一気に気温が下がり、すっかり秋めいてきましたね。
長崎では秋の風物詩「長崎くんち」が4年ぶりに開催され、私も御朱印船の出し物を見たり出店を見て回ったりして、とっても盛り上がりました!
さて、そんな秋が訪れる少し前、まだ夏の暑さが残る9月25日~27日の3日間、前回のスタッフブログにてお伝えしていました「アントレプレナーシップ育成合宿」を実施いたしました。ちなみに「アントレプレナーシップ」とは、創造性や積極性、イノベーションを起こす力など、新たなことに立ち向かっていく精神のことを指します。
今回、私がこの合宿を通して参加した生徒たちに学んでほしいと思ったことは「自分たちの発想力を信じ、自ら行動を起こすことの大切さ」です。誇りを持ってものづくりを行う生産者や、それを支えてくださる市の職員の方々がここ長崎にはたくさんいらっしゃいます。ただ、その生産物をどう生かしていくのか、また先頭に立ってプロジェクトを実行する人がどれほどいるのかという部分では、アイデアもプレイヤーも足りていないのが現状です。
そういったリアルな部分を、南島原でのフィールドワークを通じて感じてほしいと考えました。
【1日目】
・南島原市の農林課と観光振興課の職員の方々とのディスカッション
・南島原市内の観光資源の視察調査
・チームビルディングワークショップ
【南島原市の農林課と観光振興課の職員の方々とのディスカッション】
アントレプレナーシップ育成合宿、最初のプログラムは南島原市役所の職員の方々とのディスカッションです。今回は「南島原の地域資源と、その活用方法に関しての課題」という観点から、農林課と観光振興課の方々にお話を伺いました。
南島原の地域資源として有名なのが「じゃがいも」や「いちご」などの農作物で、県内外問わず流通しています 。その他にも、南島原にはオリーブや青パパイヤなどまだまだ知られていない資源がたくさんあるそうで 、市では今後こういった資源を全国へ広げるべく、さまざまな施策を行っていきたいと考えているそうです。
その中でも現在、農業就労者を増やす取り組みとして、みかん農園の研修生の募集と農園への支援を行う活動や、高単価で新しい農作物の栽培にチャレンジできるプロジェクトを行っているとのこと。また今年に入り、南島原市が「どぶろく特区」や「ワイン・リキュール特区」としても認められ、商品開発の幅も広がりつつあるようです。
さらに観光面では、修学旅行などをターゲットにした農村宿泊体験の取り組みや、タレントを起用したPR 活動などを行っていることを知りました。話を聞くとたくさんの取り組み行っていること知り、南島原という地域性への理解が深まったとともに、アイデアが出てきてもそれを実行できるプレイヤーの少なさに課題を感じ、学生たちも「自分たちは何が出来るだろうか」と考えるきっかけになったように思いました。
※どぶろく特区、ワイン・リキュール特区:
構造改革特別区域法に設けられた酒税法の特例により特別に酒類の製造・販売を認められた区域の通称 。
通常は年間 6 キロリットルの最低製造量数を満たさないと酒造の免許取得が認められない中で、特区と認められた地域においては、最低基準を下回っても免許取得が認められるという制度があります。地域の特産を使い新たな商品をつくることで、地域活性化をはかる規制緩和の一種です。
【南島原市内の観光資源の視察調査】
昼食を終え、午後からは南島原市内にある観光資源の視察を行いました。
南島原はキリシタンとの関係が深く、その歴史が多く残る場所としても知られています。有馬キリシタン遺産記念館をはじめ、日野江城跡や世界文化遺産にも登録されている原城跡など様々な施設を見学することができますが、十分に整備されていない部分も多いとのことでした。
地元に住んでいるとなかなか施設に足を運ぶことは少ないですが、歴史的にどういった価値があるのかということは理解しています。ただ、その価値がここを訪れた観光客の方々に、同じレベルで伝わっているのか、という部分まで考えながら回ることは無く、生徒たちも観光施設のつくり方や魅せ方など、観光を資源という目線で考えることの難しさを実感していました。
また、日本の棚田100選にも選ばれたことのある「谷水棚田」の現地視察も実施。
南島原の地形を利用した約230枚の田が重なる美しい景観を維持するための放棄地の利活用について、実際に見学しながら学ぶことができました。過去の取り組みとして、棚田にてキャンプを実施したことがあるという話を聞き、ロケーションや景観を活かしてイベントを行い、関係人口を増やしていくという手法に関心を持った様子でした。
※関係人口:
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。引用元:総務省 https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/about/index.html
【チームビルディングワークショップ】
夜はチーム力向上のために、ボードゲームを使ったアイスブレイクと、コンセンサスゲームを行いました。生徒たちは活動こそ一緒に行っていますが、学年が違ったり部活動に入っていたり、いつも一緒に過ごしているわけではないためお互いを深く知る機会はないようで、相手の意外な一面を知ることができたようでした。
コンセンサスゲームとは、チームで合意形成を図りながら与えられたお題から、最適解を導き出すというゲームです。一見レクリエーションのようにも見えますが自分の考えを伝えつつ、チーム一人一人が納得感を持って物事を進める難しさや、様々な意見が出る中で折衷案を考えるなど、チーム活動において大事なことを考えるきっかけにもなるゲームです。
自己育成や他者との関わりなど、まだまだ成長途中の生徒だからこそ、ゲームの中であえて人と衝突し自分の意見を強く主張することを通して、自分らしさに気付いて欲しいなと思っています。こういったレクリエーションの体験も、私たちが考えている「地域の課題を活かしながら一人の人間として成長していく」という部分に繋がってきます。
というところで、無事 1 日目が終了いたしました!
わたし自身も実際に足を運び、観光や農業を「地元の課題」という視点で見ることに、新鮮さを覚えました。課題があるからこそチャンスもたくさんある!と感じたところです。学生たちも長崎県という意味では地元ですが、物理的に遠く普段なかなか訪れることのない地域に赴いたことで、今まで知らなかった長崎の側面を知ることができたようです。
次回のブログでは、2日目の合宿の様子をシェアさせていただきます。
南島原にて農園や農家を営む方々を訪問し実際に農業の体験を行ったのですが、学生に地域の課題を肌で感じてもらい、訪問した上での企画のブレストを行うなど、とても多くのことをインプットできたのではないかなと感じています。
来週以降の更新を予定しておりますので、次回のブログもお楽しみいただければ幸いです!
※ブログの発信は変更する場合がございます。予めご了承ください。