【トンボロ活動記vol.9 「長崎つなぐっど。」活動報告会】

出島トンボロは地域商社として、“長崎のオンリーワンづくり”を掲げている―――。
長崎の魅力を余すところなくお伝えするために始まった「トンボロ活動記」。
この発信の多くの割合が産学連携の活動など、地元の学生さんとの協働についてです。特にその中でも、最も長く活動しているものとしてあげられるのが、佐世保高専との取組みである「長崎つなぐっど。」です。

23年度から24年度にかけては、波佐見焼と地元の茶葉を用いた【茶香炉&茶葉セット】を学生さん自らが企画し販売。そしてつい先日、ご協力いただいた関係者をお招きして活動の報告会を実施してきました!今回はその内容をご紹介します!

案出しから販売まで2年がかり!?

佐世保高専物質工学科の有志団体「長崎つなぐっど。」との取組みは、これまでのブログにも記載しておりますので、今回は割愛させていただきます。
地元の素材や技術を用いて長崎の魅力を再発見、再発信していくというのは変わりない中で、東彼杵郡波佐見町や佐世保出身者が多かった今回のチームでは、早くから全国的にも知られている波佐見焼やそのぎ茶など茶葉を使いたいという話は出てきていました。
実際に波佐見焼の商社さんや県のそのぎ茶振興協議会様へのアポイントなどは、かなり早い段階から動いていました。ただ、それらを用いて何を作って、何を届けたいのかという部分がなかなか定まらず…。メンバー内で試行錯誤した結果、茶葉を熱で燻して香りを楽しむ「茶香炉」というアイデアに行き着きますが、次は技術面での実現可能性の問題にぶつかり…プロジェクトは一度停止状態になります。

それでも、関係者や周囲の手助けやご縁をいただき、最後はプロジェクトの実現に向けての思いを伝えることで、伝統工芸士の長山さんによる成形が実現しました。また。商社である有限会社マルヒロさんからは使わなくなった釉薬、長崎県窯業技術センターさんには試作段階から施釉~焼成の場を、原田製茶さんからは茶香炉用の茶葉だけでなく、通常の飲用茶葉などをそれぞれからご提供いただきました。

事業として見てみると…

そうして、2年がかりで制作がかない、晴れてクラウドファンディングで販売を実施しました。
結果としては、作った100個の茶香炉ほぼすべてを売り切り、事業単体としてもしっかり利益を残すことが出来ました。この利益は、後輩たちの活動資金となり、次への繋がっていきます。
報告会に際しては、「地元の学生さんとこのような取り組みが出来て学びが多かった」「出来上がった茶香炉を展示会などでも持っていって使用し話のネタにもなっている」など、ご協力いただいた皆様からも暖かいお言葉をいただきました。
学生さんからは「企画して販売することがこんなに大変だとは思わなかった。」「皆さんの協力なしでは実現しなかったことだからこそ、一緒に活動することのありがたさと、達成した喜びを知れた」など、こちらも学びに繋がっているようなそんな感想を伺えました。

今回の報告を通して思ったこと

昨今、学生ビジコンなど画期的なアイデアを提示して競い合う機会が、私たちが学生だった時よりも格段に増えたように思います。早くからビジネスについて興味を持ち、アウトプットするのはとても学びになると思いますし、きっかけとしては非常に重要だと思います。一方で、アイデアを実現するとなると、自分たちだけで完結することはごく稀で、活動を進めていく中で多くの利害関係者が生まれます。そして、その方々と一歩一歩地道に調整しながら実現に向かってくのが現実です。その泥臭さや地道さがいかに大事かということは、アイデアを形にしようとする行動を通してでしか体験できないことのように思います。その貴重な経験を、今のうちにしておくことで、将来仕事を選ぶときに、より働くイメージがつきやすくなり、より良いキャリア形成が出来るのではないかと実感しました。

最後になりましたが、最後までご一緒いただいた長山さま、原田製茶さま、長崎県窯業技術センターさま、マルヒロさま、本当にありがとうございました。また、保護者の皆様、並びにOBOGや活動を支援いただき誠にありがとうございました。この場を借りて感謝申し上げます。

今後も長崎つなぐっど。の活動は続いていきます。どうぞ、次の新しい活動に乞うご期待ください。

フェイスブック インスタグラム ツイッター